トマトの防根給水ひも栽培における肥効調節型肥料と根域拡張に伴う「紐」の適用

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  • トマト ノ ボウコン キュウスイヒモサイバイ ニ オケル ヒコウチョウセツガタ ヒリョウ ト コンイキ カクチョウ ニ トモナウ ヒモ ノ テキヨウ

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抄録

中玉トマト18段摘心の長期促成栽培における肥効調節型肥料の適用と生育途中の根域拡張に伴う「紐」適用が生育と果実収量に及ぼす効果を調べた。栽培容器は可動仕切り板で2つに仕切り区画当たり容量は2.8 lとし、第8段花房開花時に仕切り板をはずして5.6 l(1st Box+2nd Box)とした。試験区は2区で2nd Boxに紐を配置しない1本区と2nd Boxにもう1本を配した2本区である。2本区の草丈は1月以降、1本区に比べ高く推移し第18段花房の開花日が約10日早まり、成長の指標とした摘心時の茎頂部新鮮重も1本区の2倍となった。1株の果実収量は1本区で8kg、2本区で9kgとなり果実の糖度、酸度には両区間に差はなかった。栽培終了時の根の乾物重と茎切断面から採取した木部いっ泌液は両区間に差はなかったが、両区とも栽培終期の4月には生育が衰え葉色は黄緑色で果実の着色も不均一であった。木部いっ泌の成分分析ではNO3-N濃度が1本区で10me/l、2本区で6me/lであり、これらの濃度は一般に養液栽培に使用される園試標準濃度よりも低かった。以上の結果から、第8段花房開花時に仕切りを開放し新区画への土壌と肥料ならびに紐の新たな適用は、生育安定と収量確保に効果的に作用することが明らかとなった。しかし、紐の有無にかかわらず生育後期の生育が不良となったことから、今後は施肥設計の面から、とくにNO3-NとSO4-Sの両面から検討する必要があると考察した。

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