日本産ウナギ類の寄生虫目録(1915~2007年)

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  • A Checklist of the Parasites of Eels (Anguilla spp.) (Anguilliformes: Anguillidae) in Japan (1915-2007)

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抄録

1915~2007年の93年間に出版された文献に基づき, 日本産ウナギ属魚類3種(ウナギAnguilla japonica, オオウナギAnguilla marmorata, ヨーロッパウナギAnguilla anguilla)の寄生虫に関する情報を2つのリスト(寄生虫-宿主リスト, 宿主-寄生虫リスト)に整理して目録を作成した。ウナギとオオウナギは在来種であり, ヨーロッパウナギは国外からの移入種である。本目録には, 44種の寄生虫(繊毛虫類6種, 微胞子虫類1種, ミクソゾア類6種, 吸虫類7種, 単生類7種, 条虫類3種, 線虫類7種, 鉤頭動物4種, ヒル類2種, カイアシ類1種)に加えて, 学名がまだ決定していない寄生虫の情報が含まれる。寄生虫-宿主リストでは, 各寄生虫は高位分類群ごとに配列され, 最新の学名, シノニム, 寄生部位, 地理的分布および報告者の情報が示されている。上記44種のうち, ウナギから43種, オオウナギから1種, ヨーロッパウナギから10種の寄生虫が報告されている。単生類のGyrodactylus anguillaeと線虫類のRaphidascaris acusはヨーロッパウナギとともにヨーロッパから, またGyrodactylus nipponensisもインド・西太平洋地域から持ち込まれたと推察されている。ウナギから報告された寄生虫のうち, 8種は海産または汽水産で, 2種(Tubulovesicula anguillae, Pseudodactylogyrus kamegaii)の成虫がウナギに特異的に寄生しているため, 海洋と汽水域において, ウナギはそれら寄生虫の固有宿主の役割を果たしていると言える。

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被引用文献 (1)*注記

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