脳活動に影響を及ぼす単一感覚刺激の効果

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  • Effect of mono-sensory stimulation on brain activity

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抄録

本研究は,意識障害患者へのリハビリテーション看護の端緒を開くために,脳活動を活性化させる可能性がある単一感覚の刺激について検討した.対象者は健常な男女34名(23.2士1.6歳)であった.課題は肘の関節運動,カレー匂によるニオイ刺激,掌への痛み刺激を5分間毎にランダムに行った.測定部位は国際10-20法に則り, 左前頭葉に相当する位置とした.α波とβ波成分を3秒間毎に定量化した発現数を5分間測定し,平均値,標準偏差値による増減値,変化率値を求め統計学的比較を行った.結果,発現平均値が著しく高い9名を除いても発現数の傾向が同一のため25名の対象者で分析を行った.発現数平均値では,ニオイ刺激(α波,6.0士4.1;β wave, 7.4土4.2)が関節運動(α波,2.8士2.4;β波,4.1土2.5)と痛み刺激(α波,3.7士2.8 ; β波,4.9士3.8)より有意に高かった(p<0.01). 増減幅値でもニオイ刺激(α波,4.5士3.9 ; β波,3.8土2.2)が,関節他動運動(α波,1.3土0.9 ; β波,1.8士3.4)と痛み刺激(α波,1.4土0.7 ; β波,1.4土0.7)より有意に大きかった.(p<0.01). そして,変化率においてもニオイ刺激が関節運動や痛み刺激より有意に大きかった(p<0.01). 従って,ニオイ匂が最も脳を活性化させることがわかった. これは,嗅覚評価で最も検出率の高いカレー匂を使用したため,注意が向きやすく脳活動が活性化したと推側される.

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