初級学習者による漢字語の意味理解のための外部リソース使用実態調査 : 電子辞書の使用法に焦点をあてて

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書誌事項

タイトル別名
  • How electronic dictionaries are used in searching for unknown Kanji words
  • ショキュウ ガクシュウシャ ニ ヨル カンジゴ ノ イミ リカイ ノ タメ ノ ガイブ リソース シヨウ ジッタイ チョウサ デンシ ジショ ノ シヨウホウ ニ ショウテン オ アテテ

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抄録

本研究では、非漢字圏日本語学習者が日常生活場面で未知の漢字語に遭遇した際に、各種辞書やWeb翻訳サイト、辞書サイト、辞書ソフト等の外部リソースをどのように使用しているかを調査し、その成功例と失敗例を分析して、外部リソース活用のための技術と問題点を明らかにした。調査では、初級日本語学習者に、実生活に近い場面設定で、未習の漢字語の理解を必要とする課題を課し、その過程とフォローアップインタビューをビデオ録画した。そして、そのデータを今回は電子辞書使用の部分に焦点をあてて、質的に分析した。その結果、電子辞書は幅広い場面で中心的に使用されていること、電子辞書の検索活動のほとんどが手書き入力によって行われていることがわかった。また、電子辞書検索過程を詳細に分析すると、学習者の問題点として、辞書機能を適切に活用できていない、未習漢字を適切に手書き入力できていない、和語が適切に検索できていないなどの問題が明らかになった。また、日本で広く市販されている電子辞書が学習者向けものではないために、学習者にとって接辞の意味を検索し理解することが難しいなどの問題点も見られた。今後、漢字の運用能力養成の一つとして、電子辞書の適切な入力方法、検索方法を指導するとともに、様々なストラテジーを紹介することにより、より効率的な未知語への対応ができるよう指導していく必要があると思われる。

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