沖縄県における島尻マージ土壌,国頭マージ土壌およびジャーガル土壌で栽培されたベニバナボロギク(Crassocephalum crepidioides (Benth.) S. Moore)の各生育段階における生育特性と収量およびミネラル含量

書誌事項

タイトル別名
  • Growth Characteristics, Yield and Mineral Content of Redflower ragleaf (Crassocephalum crepidioides (Benth.) S. Moore) at Different Growth Stages, and in Dark-red soil, Red soil and Gray soil in Okinawa
  • Growth Characteristics, Yield and Mineral Content of Redflower ragleaf (Crassocephalum crepidioides (Benth.) S. Moore) at Different Growth

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抄録

ベニバナボロギクは,熱帯・亜熱帯地域の国々で薬草や食用野菜として,あるいは,家畜飼料として利用されている。本試験では,ベニバナボロギクの生育特性と収量について,異なる生育段階ごとに評価し,さらに沖縄県内に分布する島尻マージ土壌(pH5.5‐6.5),国頭マージ土壌(pH4.0‐5.5)およびジャーガル土壌(pH6.5‐7.3)を用いて栽培試験を行い,生育特性とミネラル含有量について調査した。草高,葉数,葉面積およひ茎数については,播種後,50日目までは緩やかに増加したが,51日以降から70日目までは顕著な増加を示し,71日以降は,緩やかな増加を示した。播種後,60日目には頭状花序が出現し,80日目には成熟が始まった。播種後,70日目と80日目の収量は,ほほ同様の値を示し,60日目の収量よりも2‐3倍高い値を示した。ベニバナボロギクの生育に関する全ての測定項目について,ジャーガル土壌を用いた場合に顕著に高い値を示し,収量については島尻マージ土壌あるいは国頭マージ土壌の値と比較して,約3倍高い値を示した。頭状花序の出現はジャーガル土壌が最も早く,次いで国頭マージ土壌,島尻マージ土壌の順であった。播種後60日目における植物体中のNa,K,Ca,P,Al,Fe,SおよびSi含量が最も高く,Mgについては,生育期間が長くなるにつれて増加した。Na,KおよびMgは,国頭マージ土壌で最も高く,次に島尻マージ土壌で高かったが,Caについては島尻マージ土壌で最も高く,次いでジャーガル土壌で高かった。PおよびSについては,国頭マージ土壌で最も高く,次にジャーガル土壌で高かった。本試験により,沖縄県におけるべニバナボロギクの生育特性,収量およびミネラル含量について明らかとなった。特にベニバナボロギクは,ジャーガル土壌で最も良好な生育を示し,播種後70日目に収穫することが望ましいということが示された。また,ベニバナボロギクを雑草として着目する場合は,播種後70日以内に取除くことで,種子生産の抑制が可能であることが示唆された。

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