腹膜透析中に発症した急性虫垂炎の一例

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  • A case of acute appendicitis during the course of Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis(CAPD)

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抄録

症例は50歳代男性.半年前より腹膜透析を導入した.1年前に虫垂炎を保存的に治療した.今回腹痛を発症し,腹膜透析関連腹膜炎の診断にて保存治療を開始された.抗生剤の経静脈投与と腹腔内投与が行われた.腹部全体の痛みは数日で軽快したが右下腹部に圧痛を認め,computed tomographyにて糞石性虫垂炎が示唆された.虫垂炎に起因した腹膜炎との診断に至った.感染は保存的に軽快したが,2回目の虫垂炎であり,根治目的に虫垂切除術を行った.腹腔内の観察目的で腹腔鏡下手術を選択した.腹膜透析中の腹膜炎は,カテーテルからの逆行性感染以外に消化管疾患に起因するものもあることを念頭に置く必要がある.

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