異文化研究の解釈学的アプローチと文化記述の今後の課題 : クリフォード・ギアツの文化解釈学を手掛かりに

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タイトル別名
  • The Interpretive Approach of Cross-Cultural Studies and a New Style of Culture Description : Beyond Clifford Geertz's Theory of Cultural Hermeneutics
  • イブンカ ケンキュウ ノ カイシャクガクテキ アプローチ ト ブンカ キジュツ ノ コンゴ ノ カダイ クリフォード ギアツ ノ ブンカ カイシャクガク オ テガカリニ

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抄録

私は本稿において、解釈学的アプローチによる文化研究を総括的に文化解釈学と呼んでいる。現代の社会科学においては従来からの社会的現実の表象方法に対する懐疑が広がっており、.新しい表象方法を求めてさまざまな試みがなされている。そのような試みの中で、一つの大きな潮流をなしているのが、象徴とその意味の探求を目指す解釈学的アブローチである。文化解釈学はそのような「解釈学的転回」に歩調を合わせ、表象に関する認識論的問題に取り組みつつ、これまでになかったような洗練された文化記述に成功している。そこで、本稿では、文化解釈学の代表者であるギアツの文化人類学の理論を取り上げ、「解釈学的循環」を中心として、彼の理論の解釈学的な側面を浮き彫りにする。また、ウィンチの「限界観念」によってギアツの理論を補完する。さらに、文化解釈学の科学としての妥当性について考察する。その上で、今後の文化記述の方向性を模索する。その際、特に、文化の同一性というイデオロギーに言及し、従来のアイデンティカルな文化記述に対して、多様で揺らぐ文化記述を提案したい。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 16 181-195, 1995

    大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649734865280
  • NII論文ID
    120004840499
  • NII書誌ID
    AN0020011X
  • DOI
    10.18910/6303
  • HANDLE
    11094/6303
  • ISSN
    02865149
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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