ラット心筋細胞の常温保存研究 : ガス印加の影響

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タイトル別名
  • Effect of gas adding on the preservation of dissociated neonatal rat cardiomyocytes at room temperatures
  • ラット シンキン サイボウ ノ ジョウオン ホゾン ケンキュウ : ガス インカ ノ エイキョウ

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抄録

細胞を生きたまま保存することができれば, 一つの個体から多くの実験試料を採取し安定供給することができ, 産業分野に大きく貢献できる. しかし心臓を構成する心筋細胞など需要が多いにもかかわらず保存が困難な細胞も存在する. そこで本研究では, 分散された初代ラット心筋細胞の保存条件を, キセノンなどのガスを印加し室温以上の温度まで保存温度を引き上げる技術について検討した. 9.4~35℃の範囲で種々のガスを0.5MPa印加して培養液中に分散させた心筋細胞を72時間保存し, 保存後の細胞を生理条件下で培養してその機能の正常性を評価した. その結果, 不活性ガス, 窒素ガス, 炭化水素ガスなどを印加した場合は, ガスを印加しなかった保存細胞との違いが見られず, ガスの印加効果が本実験条件内では見られなかった. しかし酸素を含んだ混合ガスを印加したところ, 高温まで分散状態が保たれたが, その後の培養試験で多くの細胞が劣化または死滅することがわかり, 高濃度酸素が保存期間中に細胞の接着機能に影響を及ぼすことがわかった.

収録刊行物

  • 低温科学

    低温科学 71 81-89, 2013-03-31

    北海道大学低温科学研究所

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