ジュディス・バトラーにおけるスピノザの行方(上) : 「社会存在論」への道

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書誌事項

タイトル別名
  • Spinoza’s Conatus in Judith Butler: the Journey to “Social Ontology”
  • ジュディス バトラー ニオケル スピノザ ノ ユクエ ジョウ シャカイ ソンザイロン ヘノ ミチ
  • ジュディス ・ バトラー ニ オケル スピノザ ノ ユクエ(ウエ)「 シャカイ ソンザイロン 」 エ ノ ミチ

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抄録

ジュディス・バトラーがスピノザの熱心な読者であるということはあまり知られていない。しかし、スピノザは彼女にとってきわめて重要な思想家である。実際、彼女は『ジェンダーをほどく』(2004)で「スピノザのコナトゥス概念は私の作品の核心でありつづけている(198 頁)」と述べている。本論はこの言葉の意味を明らかにしようとするものである。バトラーがスピノザの『エチカ』に最初に出会ったのは思春期に遡る。その後、彼女はイェール大学の博士課程でヘーゲルを通して間接的にスピノザと再会する。この二番目の出会いは、彼女の学位論文『欲望の主体』(1987)を生み出すことになる。最後に、このスピノザからヘーゲルへの移行によって、彼女は「社会存在論」を確立することができた。バトラーの著作におけるスピノザのコナトゥス概念に着目することで、私はこれらの運動を明らかにするだろう。そして、このような考察を通して、バトラーの思想においてコナトゥス概念が持つ意味も明らかになるだろう。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 34 163-180, 2013-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

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