食餌性肥満マウスにおけるIL-1β産生減少にともなう皮膚黄色ブドウ球菌感染防御機能の低下

DOI 機関リポジトリ HANDLE Web Site
  • 坂本 勇一
    弘前大学大学院医学研究科 感染生体防御学講座
  • 成田 浩司
    弘前大学大学院医学研究科 感染生体防御学講座
  • 中根 明夫
    弘前大学大学院医学研究科 感染生体防御学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Reduced IL-1β production in diet-induced obese mice impairs host defense against skin <i>Staphylococcus aureus</i> infection
  • Reduced IL-1β Production in Diet-Induced Obese Mice Impairs Host Defense against Skin Staphylococcus Aureus Infection

この論文をさがす

抄録

 肥満体における脂肪組織ではinterleukin-1β (IL-1β) を含む炎症性サイトカインが関与した慢性炎症状態にある．一方，IL-1β は黄色ブドウ球菌感染に対する宿主防御に重要な役割を果たす．本研究では高脂肪食を摂取した非糖尿病性肥満マウス (HFD) を用いて黄色ブドウ球菌皮下感染に対する宿主感染防御機構をIL-1β に焦点を当て検討した．黄色ブドウ球菌皮下感染後の HFD皮膚生菌数は普通食摂取マウス (ND) と比べ増加した．ホルマリン処理黄色ブドウ球菌と ATP刺激による HFD皮下脂肪由来マクロファージの IL-1β産生，NLRP3 mRNA 発現およびカスパーゼ‐1の活性化は ND皮下脂肪由来マクロファージと比べ低下していた．これらの結果から，肥満による皮下脂肪由来マクロファージの IL-1β産生の低下は，黄色ブドウ球菌皮膚感染防御能の低下に関与することが示唆された．

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 64 (1), 29-40, 2013

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ