悪性黒色腫におけるカテプシンDの過剰発現

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  • Overexpression of Cathepsin D in Malignant Melanoma

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抄録

カテプシンDはリソゾーム内に存在するエンドペプチダーゼであるが, 胃癌, 乳癌, 卵巣癌などでは周辺正常組織に比べ, 過剰発現していることが知られている. 悪性黒色腫においても, その過剰発現が2編の文献報告で知られているが, 日本人を対象とした検討は行われていない. 我々は, 20例の原発性悪性黒色腫, 20例の転移性悪性黒色腫, 20例の良性色素細胞母班, 10例の健常皮膚を用いて, カテプシンD の発現を免疫組織学的に検討した. 正常皮膚では, カテプシンDは表皮および毛囊の上層・顆粒層に顆粒状に発現しており, 脂腺やエクリン汗腺では強い発現を認めた. 原発性悪性黒色腫や転移性悪性黒色腫のカテプシンDの発現は, 良性色素細胞母班のそれよりも有意に上昇していた. また転移性悪性黒色腫では, 原発性悪性黒色腫よりも有意に高い発現が認められた. これらの結果から, カテプシンDの発現は色素細胞の悪性化と腫瘍進展に関与していると考えられた.

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