胃癌髄膜癌腫症の3例

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  • 楠本 哲也
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科 | 九州大学大学院消化器・総合外科
  • 木村 和恵
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科 | 九州大学大学院消化器・総合外科
  • 杉山 雅彦
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科
  • 太田 光彦
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科
  • 堤 敬文
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科
  • 坂口 善久
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科
  • 池尻 公二
    国立病院機構九州医療センターがん臨床研究部・消化器センター外科
  • 沖 英次
    九州大学大学院消化器・総合外科
  • 佐伯 浩司
    九州大学大学院消化器・総合外科
  • 森田 勝
    九州大学大学院消化器・総合外科
  • 池田 哲夫
    九州大学大学院消化器・総合外科
  • 古田 斗志也
    古賀中央病院
  • 前原 喜彦
    九州大学大学院消化器・総合外科

書誌事項

タイトル別名
  • Leptomeningeal Carcinomatosis Originating from Advanced Gastric Cancer : A Report of Three Cases and Review of the Literatures

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抄録

3 例の胃癌髄膜癌腫症を報告する.症例1 は50 歳代,女性.胃癌の診断で幽門側胃切除術施行された2年後に傍大動脈リンパ節転移に再発を来たし5-FU + paclitaxel による一次化学療法を開始された.治療継続中に頭痛と眩暈が出現し,細胞診を含む精査の結果,高髄液圧(580mmH2O)を伴う髄膜癌腫症と診断された.髄液ドレナージにて症状は改善したが,一次治療はPDと判断し,二次治療としてmethotrexate + 5-FU に移行した.しかし病勢は急激に進行し,全盲および聴覚障害に至った.症例2 は40歳代,男性.腹膜播種と遠隔リンパ節転移を伴うStage IV 胃癌に対してS-1 + docetaxel による化学療法施行中であったが,5 コース終了後に激しい頭痛が出現した.MRI 上,脳実質表面の髄膜の異常増強所見から髄膜癌腫症が疑われ,髄液細胞診および高髄液圧(180mmH2O)にて診断確定に至った.髄液ドレナージにて症状は改善したが,その後原発巣の穿孔による汎発性腹膜炎を発症した.症例3 は60 歳代,女性.胃癌の診断で胃全摘術を施行され,術後補助化学療法は有害事象で早期に中止されていた.術後1 年3ヶ月で腹膜播種再発を来たし,S-1 + docetaxel による一次治療,化学療法開始5ヶ月後からirinotecanによる二次治療が継続されていた.治療開始後1 年1ヶ月の時点でPR であったが,同時期に両肩の強ばりに引き続く激しい頭痛を訴え,髄膜炎が疑われた.髄液圧は正常であったが,髄液ドレナージにて症状は軽快し,髄液細胞診にてClass Vであった.二次治療PD かつ癌性髄膜炎の診断で,Ommaya リザーバーを留置してmethotrexateによる髄腔内化学療法を開始したところ,症状は改善し,約6ヶ月間,同治療を継続可能であった.

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