脂質異常症患者治療におけるNarrative based Medicine-第2報-

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タイトル別名
  • Treatment of dyslipidemia and the role of Narrative based Medicine (NBA) to modify lifestyle : Second report
  • シシツ イジョウショウ カンジャ チリョウ ニ オケル Narrative based Medicine(ダイ2ホウ)

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抄録

動脈硬化性疾患では,脂質異常症が動脈硬化性疾患の重要な危険因子である。前回は総合病院の総合内科外来で脂質異常症の治療と生活習慣についての後ろ向き研究を報告した。今回は同じ施設で2005年から2012年の間に,脂質異常症の継続的な治療を受けた患者39名(男性21名と女性18名)を対象とし,臨床検査成績と臨床経過とについて検討した。脂質異常症の診断に関する血清脂質値では,高LDL コレステロール血症が84.6%,低LDLコレステロール血症が2.6% で,高トリググリセライド血症は45.6% であった。すなわち動脈硬化性疾患の危険因子として脂質異常症のなかで最も重要な高LDL コレステロール血症が多かった。全身の動脈硬化の評価指標として頸動脈超音波検査が対象者の82% に施行されていた。施行されたものうち56.2%に動脈硬化性病変が認められた。病変の内訳では,プラークが34.4%で,内中膜複合体孔厚(IMT)は21.9%であった。さらに,心血管系疾患の予防効果が知られているn-3系多価不飽和脂肪酸の血漿構成比としてエイコサペンタエン酸/ アラキドン酸(EPA/AA)比を調べたところ,診断時と脂質異常症が改善した前後の比較で,この値の変化に一定の傾向は認められず,低値を示す者は認められなかった。なお,日常生活指導のみで脂質異常症が改善した者は28.2%であった。

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