生殖補助医療、性ホルモン補充を行わず、妊娠・出産に至った先天性リポイド副腎過形成の1 例

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  • Pregnancy and childbearing with nonclassic lipoid congenital adrenal hyperplasia without assisted reproductive technologies and sex hormone replacement : a case report

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抄録

先天性副腎過形成症は、ステロイド合成酵素の欠損、コレステロールの輸送蛋白の異常により、副腎皮質過形成となる疾患で、うち、先天性リポイド副腎過形成( lipoid congenital adrenal hyperplasia;LCAH)は、すべてのステロイド分泌不全が生じ、最も重症型である。コレステロールをミトコンドリア内に輸送する蛋白(Steroidogenic Acute Regulatory Protein;StAR)の異常により、生後早期から副腎不全症状を呈し、性ホルモン合成も障害される。一方、女性ホルモンの分泌にはStAR非依存性の回路も存在し、生殖補助医療下の妊娠出産例が報告されている。今回我々は、LCAH非古典型患者において、性ホルモンを補充せず妊娠出産に至った症例を経験した。【症例】27歳0回経妊0回経産。13歳時、遺伝子検査にてLCAH と診断。27歳時、自然妊娠。初期より女性ホルモン分泌不全はなく、妊娠37週5日、選択的帝王切開術にて健常児を得た。【考察】LCAH 非古典型患者において、性ホルモン補充を行わず、妊娠出産管理を行いうる可能性が示唆された。

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