GLP-1アナログ製剤導入により血糖コントロールが得られたBrittle型糖尿病の1例

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  • GLP-1 Analogues improved in Glycemic Control in a Patient of Brittle Diabetes Mellitus:A Case Report

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抄録

症例は78歳女性.平成5年に2型糖尿病と診断された.その後,平成22年12月にインスリン抗体陽性を確認.血糖変動パターンからBrittle型糖尿病と考えられた.当初は,経口血糖降下剤(OHA)による加療,インスリン強化療法を行っていたが,抗体陽性確認後は,DPP4阻害薬を主軸としたOHAによる治療や,前回と異なる製剤を用いたインスリン強化療法と,治療法の工夫・変更を行った.しかし,いずれも一時的な血糖コントロールが得られるのみで,長期的な治療効果は不十分であった.平成25年1月,外因性インスリン投与は中止とし,GLP-1アナログ製剤であるリラグルチドの投与を開始した.同剤を段階的に増量したところ徐々に良好な血糖コントロールが得られた.  本例では,DPP4阻害剤投与で,不十分ではあるがある程度の奏功を認めていた.そこで,同じインクレチン作用による内因性インスリン賦活を期待してGLP-1アナログ製剤の投与を行ったところ,良好な結果を得ることができた.比較的まれな病態に,効果的な治療が適応できたため報告する.

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