下顎第二大臼歯根尖に高度吸収をきたした下顎低位埋伏智歯の治療経験

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抄録

症例は31歳女性で、20歳代に他部位治療時のパノラマX線で下顎右側智歯の低位水平埋伏を指摘されていた。今回、下顎右側第二大臼歯部の冷水痛と咬合時痛で受診した。パノラマX線では下顎右側智歯が第二大臼歯根尖部に水平埋伏歯し、デンタルX線では下顎右側第二大臼歯の歯冠部から根分岐部までの不透過性の低下、歯根尖の吸収像を認め、第一大臼歯は遠心根が下顎智歯の歯冠と接触し、近心根は根尖部に透過像が認められた。CTでは下顎智歯の歯冠は舌側に位置し、下顎骨舌側面に骨欠損を認め、歯冠の一部が舌側に突出していた。第二大臼歯は近遠心とも根尖を含んだ歯根の舌側面に吸収が認められた。下顎右側第一大臼歯の感染根管処置を行い、4ヵ月後に全身麻酔下で下顎右側埋伏智歯と第二大臼歯の抜歯術を行った。術後より右側下唇部に知覚異常が認められたが、1ヵ月後に消失した。

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