がん体験者へのSAT療法による心理支援の効果について

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タイトル別名
  • The Benefits of Providing Psychological Support for Cancer Survivors Based on Structured Association Technique Therapy
  • ガン タイケンシャ エ ノ SAT リョウホウ ニ ヨル シンリ シエン ノ コウカ ニ ツイテ

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抄録

がん体験者の心理支援は難しいが、SAT療法が開発され短期間での介入効果が得られるようになった。そこで、本研究はがん体験者にSAT療法を一斉に1回だけ用いることで、心理支援に効果があるか検討することとした。介入は、筆頭筆者が20xx年8月にがん体験者7人とその家族4人に対して、SAT療法で実施した。分析対象者はがん体験者6人(平均年齢:59.7±3.7歳、原発がんの発症年齢:55.8±5.8歳、原発がんの種類と人数:大腸がん1人、胃がん1人、乳がん2人、肺がん1人、子宮がん1人)であった。結果は、自己抑制型行動特性の値が介入前の5.0点から介入後の3.5点へと有意に改善した(z=-2.04,p= .04)。主観的ストレス度は介入前の30%から介入後の15%へと有意に改善した(z=-2.27,p= .02)。自己価値感尺度の値は介入前の8.0点から介入後の9.5点へと有意傾向で改善した。(z=-1.81,p= .07)。自己否定感尺度の値は有意差が得られなかったが、中央値・平均値はともに低下した。介入への自由記述は肯定的記述6人、否定的・中立的記述0人であった。これらのことから、がん体験という深刻なライフイベントに対して、一斉に1回だけのSAT療法による心理支援も一定の成果を得たといえる。

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