[総説]沖縄産食材由来の腫瘍選択的抑制活性物質の探索

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  • [Reveiw]Tumor specific cytotoxicity from subtropical plants in Okinawa.

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抄録

沖縄県は亜熱帯性の気候に属し、その強い環境ストレスから、植物の生体防御物質は温帯のものより豊富であることが知られている。これらの植物群を長く食材として利用してきた沖縄県民は、何らかの影響を受けていると考えられる。筆者らは沖縄における低発ガン率に注目し、食品性の抗腫瘍活性のスクリーニングを行った。特に、細胞増殖速度に依存しない抗腫瘍活性、 「腫瘍選択的細胞抑制活性」についてスクリーニングを行った結果、沖縄県において特徴的に用いられている薬草茶であるサルカケミカン (Toddalia asiatica Lam.) に強い活性を見出した。単離された活性物質はジヒドロニチジン(Dihydronitidine : DHN) と同定された。DHNの抗腫瘍活性は既に示唆されていたが、今回の報告ではこれまでの活性だけでは説明できない抗腫瘍効果が示された。このDHNの選択的抑制活性は腫瘍細胞に特異的な物質輸送経路に依存していることが示唆された。今回示した腫瘍選択的細胞抑制活性は、特定の腫瘍細胞のみをターゲットとする新たな抗腫瘍剤の検索に貢献できると考えられた。

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