OVOL1はヒト皮膚の内毛根鞘,脂腺,汗腺とその腫瘍に発現している

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  • Preferential Expression of OVOL1 in Inner Root Sheath of Hair, Sebaceous Gland, Eccrine Duct and their Neoplasms in Human Skin

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抄録

OVOL1は表皮細胞の増殖を抑制し角化を推進させる転写因子と考えられている.最近のgenome-wide association studyでは,アトピー性皮膚炎の疾患感受性遺伝子の一つとしても注目を浴びている.マウスではOvol1は皮膚及び毛囊に発現していることが報告されているがヒトでの研究はこれまで報告されていない.本研究では,ヒト健常皮膚および皮膚疾患で, OVOL1の発現を免疫組織学的に明らかにした.健常皮膚では,OVOL1は基底層上層の表皮細胞,毛囊の内毛根鞘,成熟した脂腺細胞,エクリン汗腺の導管部に優位に発現していた.炎症性皮膚疾患のOVOL1の発現は健常皮膚に比べ変化を認めなかった.OVOL1の発現はeccrine poromaとhidradenomaで亢進していた.ボーエン病と脂腺腫ではOVOL1の発現は亢進していたが,有棘細胞癌や脂腺癌ではむしろ減少していた.OVOL1はヒト皮膚の器官形成や腫瘍発生に重要な役割をになっているのではないかと考えた.

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