森林の土壊呼吸に関する研究 (II) : 測定点数と測定日数について
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- タイトル別名
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- A Study on the Soil Respiration of Forests (II) Number of Plots and Days to Measure the Soil Respiration
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抄録
森林の土壌呼吸量測定に際して問題となる測定点間のバラツキと測定期間内の日別変動について若干の考察をおこなった。測定は京大演習林本部苗畑 (京都市左京区) にあるカンレンボク模型林分とその隣接裸地, 京大上賀茂試験地内ヒノキ林, 滋賀県蒲生郡日野町のヒノキ林, ならびに奈良県吉野郡杉谷阪本財団林内のスギ林, ヒノキ林で1967年4月より同年12月まで行なった。同一林分内での測定点間の変動係数は上賀茂ヒノキ林が最大で0. 22 - 0. 30, 吉野スギ林の1つが最小で0. 07 - 0. 13であった。測定地の表層土壌中の礫や根の量の多少がこの変動係数の大小を生ずる原因の一つだと考えられる。信頼限界95%, 抽出誤差20%で必要測定点数を推定すれば, 上賀茂ヒノキのような相当バラツキの大きい林分でも最大10点をとればよいことがわかった。比較的短かい1回の測定期間の日別変動に強く影響するのは, 降雨の有無とその間隔であり, 降雨後土壌呼吸量は増加する。その増加のしかたは土壌によって異なるようである。各測定点の日別変化の変動係数は測定期間中降雨の多かった苗畑内カンレンボク模型林分の1つが最大で0. 38, 最小は降雨のなかった上賀茂ヒノキ林の1つで0. 04であった。これより測定点数と同様に1回の必要測定日数を推定すると, 通常の森林では最長6日間, 苗畑のような場所では最長15日間となった。これらの推定に基づいて今回の土壌呼吸量測定結果と測定期間の平均気温との関係をみてみると, バラツキは依然残るものの各測定値をプロットする場合に比べれば非常に少なくなくその精度はずっとよくなる。安定した森林の土壌呼吸値を得るためには今後はさらに温度などの測定に検討を加えていく必要があると思われる。
収録刊行物
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- 京都大学農学部演習林報告
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京都大学農学部演習林報告 40 131-139, 1968-11-25
京都大学農学部附属演習林
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050845760729626240
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- NII論文ID
- 120005515662
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- NII書誌ID
- AN00061068
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- ISSN
- 0368511X
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- HANDLE
- 2433/191459
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles