クスサンが発生したモミジバフウ林のリターフォールについて
書誌事項
- タイトル別名
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- Litter-fall and its Annual Fluctuations in a Sweet Gum, Liquidambar styraciflua Linn., Stand infested with the Giant Silk Moth, Caligula japonica Moore
- クスサン ガ ハッセイシタ モミジバフウ リン ノ リターフォール ニ ツイテ
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抄録
本報告には, 京都市北区にある京都大学農学部附属演習林上賀茂試験地で育てられているモミジバフウ (Liquidambar styraciflua Linn.) 林において, 1979年から1990年までの12年間のリターフオールを調査し, その季節変化および年変動を求め, 虫糞量からクスサン (Caligula japonica Moore) などの食葉性昆虫類による被食量 (加害葉量) を推定した結果がまとめられている。モミジバフウの平均年落葉量は4. 71ton/haで, その92 - 95%が10月下旬から11月上旬に集中している。クスサンに全葉が食害されたモミジバフウは約1カ月後には新しい葉を展開するが, この新しい再展開葉量は約2. 0ton/ha・yであった。落枝量は0. 26 - 1. 63ton/ha・yで年々増加の傾向にある。芽鱗は32. 0 - 43. 4kg/ha・yで, 6月上旬まで落下はつづくが, 5月中旬までにその大部分は落下した。花・果などの生殖器官の落下は1985年から見られ, モミジバフウの成長にともなって次第に多くなっている。虫糞量は23. 0 - 2. 366. 3kg/ha・yで, クスサンの糞が, 年変動の大きな原因であった。クスサンの大発生年であった1979年には, その虫糞が2, 344. 2kg/ha・yも回収され, その量は年総リターフォールの42. 6%で, 落葉量に次いで多かった。クスサン以外の食葉性昆虫類の虫糞は12. 6 - 46. 2kg/ha・yで大きな年変動は見られなかった。昆虫類は1. 7 - 47. 4kg/ha・yで, クスサンの幼虫の死体, 蛹, 繭などが多く見られた。総リターフォール量は5. 43ton/ha・y (4. 14 - 6. 52ton/ha・y) であった。虫糞量からモミジバフウ林における食葉性昆虫類の摂食量は40 - 3, 371kg/ha, y, その加害葉量は54 - 4, 546kg/ha・yと推定された。クスサンによる全葉食害域に設置されたトラップに捕捉された虫糞量からモミジバフウ林の被害葉量を推定すると, 5. 8 - 6. 2ton/ha・yとなり, 着葉量に相当する値が得られた。
収録刊行物
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- 京都大学農学部演習林報告
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京都大学農学部演習林報告 (64), 1-14, 1992-12
京都大学農学部附属演習林
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050001338647845504
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- NII論文ID
- 120005516210
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- NII書誌ID
- AN00061068
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- ISSN
- 0368511X
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- HANDLE
- 2433/192031
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- NDL書誌ID
- 3842296
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
- CiNii Articles