反応時間を用いた動的な視覚刺激の変化に伴う注意障害の評価法の開発について

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  • ハンノウ ジカン オ モチイタ ドウテキ ナ シカク シゲキ ノ ヘンカ ニ トモナウ チュウイ ショウガイ ノ ヒョウカホウ ノ カイハツ ニ ツイテ

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抄録

作業療法士は、注意機能の評価として神経心理学的検査を実施するが、その結果は動的に視覚情報が変化する環境では臨床症状と一致しないことを経験する。そこで、注意障害の臨床症状を反映するための評価方法として反応時間(RT) 課題を開発し、その有用性を検討した。対象は健常若年者9名、健常高齢者9名、中枢神経障害患者5名とした。実施した評価は、既存の検査であるTrail Making Test (TMT)、日本版Ponsford and Kinse11a's Attentional Rating Scale (ARS)、質的な行動観察、そして2種類のRT課題である。 RT課題は、基本的な情報処理速度を計測する単純反応課題と視覚刺激の動きの変化を検出する速度変化課題を用いた。その結果、行動評価から中枢神経障害患者5名中4名に注意障害所見が認められたが、TMTとARSではその中の1名で注意障害所見が得られなかった。一方、RT課題の反応時間、見落とし数、そして2つの課題の反応時間の比に着目した検討を行うことで、行動観察で注意障害所見が認められた症例すべてについて注意障害の臨床症状を反映できる可能性が示唆された。

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