〈無意味〉なオブジェとしての伝統工芸品 : ミクロネシア連邦ポンペイ島におけるカピンガマランギ系住民のハンドクラフト活動から

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タイトル別名
  • Traditional Crafts as “Meaningless” Objet: A Case of Handcraft Activities by Kapingamarangi People in Pohnpei Island
  • 〈ムイミ〉 ナ オブジェ トシテノ デントウ コウゲイヒン : ミクロネシア レンポウ ポンペイトウ ニオケル カピンガマランダケイ ジュウミン ノ ハンド クラフト カツドウ カラ

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抄録

ミクロネシア連邦ポンペイ島のポーンラキード村においてカピンガマランギ系住民の工芸品を調査した。ポンペイ島に自生するマングローブやマホガニーなどの木材や象牙椰子の種子を用いて、海洋生物やトカゲ、釣針、伝統的な帆かけカヌーなどを象った彫刻が販売されていた。編み飾りは、ココヤシの幹の先端の若い繊維を煮て脱色した白いひもを同心円状に編んだ一種の組紐細工で、しばしばアクセントとしてパンダヌスの葉から作った焦げ茶色のひもを混ぜ、宝貝をあしらって美しい幾何学模様を作りだしていた。カピンガマランギの工芸品は、売買へ短絡的に結びついたものと言うよりは、習慣化された無心の製作行為の結果として生じるのであり、その行為も結果も過度に意味を問われることはない。その材質や形象によってさまざまな意味を誘発しつつ、しかもその意味を現勢化する言説を削ぎ落とされているがゆえに、意味の発生する一歩手前、意味形成の閾に立ちずさんでいる。

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詳細情報

  • CRID
    1050282677514305024
  • NII論文ID
    120005617542
  • NII書誌ID
    AN1013531X
  • ISSN
    13450441
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10232/24921
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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