高圧力顕微鏡法による細菌運動観察

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タイトル別名
  • Bacterial Motility Measured by High–Pressure Microscopy

抄録

大腸菌は、細胞外に伸張させたべん毛繊維を束ねて回転させることで、水溶液中を自由に泳ぎ、より生育条件のよい場所へと移動することができる。従来から、細菌の運動機能は圧力の影響を受けやすいことが知られていたが、その詳細なメカニズムは判明していなかった。我々は、高圧力環境下にある物体を高解像度で実時間観察できる高圧力顕微鏡を開発し、大腸菌の遊泳運動が高圧力によりどのように阻害するのか精査した。圧力の増加と共に、大腸菌の遊泳速度は低下していき、80 MPa で全ての菌体の並進運動は停止した。しかしながら、テザードセルの実験系を利用してモーターの回転計測を行ったところ、モーターは回転運動を持続していることが明らかになった。従って、高圧力下で大腸菌の遊泳運動が阻害されるのは、個々のモーターの回転停止ではなく、べん毛繊維の束化阻害が直接的な原因と考えられる。

第18回生物関連高圧研究会シンポジウムの記録集

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詳細情報

  • CRID
    1050845760746475648
  • NII論文ID
    120005670891
  • HANDLE
    2433/201609
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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