コーポレート・ガバナンス論における正統性の意義

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タイトル別名
  • コーポレート・ガバナンス論における実践的転回
  • コーポレート ・ ガバナンスロン ニ オケル ジッセンテキ テンカイ
  • コーポレート ・ ガバナンスロン ニ オケル セイトウセイ ノ イギ

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抄録

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本稿は,コーポレート・ガバナンス論において正統性の概念を扱う意義について考察することを目的としている。コーポレート・ガバナンス論における正統性の概念は,機能上の概念として捉えられ,権力の正統性や,パフォーマンスの合理性を正統性の根拠とした,ガバナンス構造や所有の問題として扱われてきた。コーポレート・ガバナンスの研究者は,主に規範的な側面,ないし強制的な側面のいずれかを強調してきた。しかしながら,このような分析視座は,正統性がなぜ付与されるのかに対する論理的根拠を示すことを可能とするが,正統性はいかにして構築されるのか,あるいは,正統性をどのように獲得するか,という正統性の獲得プロセスの側面が説明できない。なぜなら,正統性を伴ったかたちが所与のものとして存在するからである。それゆえに,実際にガバナンスが具体化されていくプロセスを捉えることについて,本稿は,個々人の合理的判断ではなく,文化・規範そのものの多様性・多元性を認め,どのように文化・規範が形成され,正統であると受け入れられ,普及していくのかを問題とする,新制度派組織論にその理論的根拠を求める。

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