<論文>トランスナショナルな社会運動における共感 = 代理の政治 : ロサンゼルス在住イラン人の抗議運動の事例から
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- 椿原, 敦子
- 国立民族学博物館外来研究員
書誌事項
- タイトル別名
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- Vicarious Politics in Transnational Social Movements in the Case of Protests by Iranians in Los Angeles
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抄録
2009年の第10期イラン大統領選挙に端を発するイラン各地での抗議行動の様子は市民によって撮影され、インターネット上で配信された。ソーシャルメディアによる情報発信という社会運動の新しいあり方に国際的な注目が集まったイランでの抗議行動は、「緑の運動」と呼ばれる。この運動はイラン国内のみならず、国外在住のイラン人をも巻き込んでいった。例えば、ロサンゼルスの人々は次の形で関与を続けた。第一に、サイバースペースでの情報の中継や加工、第二に、衛星TV放送によるイランの視聴者への働きかけ、そして第三にローカルな場での抗議集会の継続である。これまでディアスポラ集団の社会運動を扱った研究は、故国の人々に及ぼす影響に主な焦点を当ててきた。これに対して本論で着目するのは、ディアスポラ集団のトランスナショナルな運動が特定の場において新しい文脈を与えられ、ローカル化される過程である。これによって、故国の社会運動を取り巻くグローバルなアクターという中心-周縁という構図を脱した両者の相互作用を捉えることを試みる。技術に媒介された言説空間で流通する「緑の運動」の情報は、複製・加工され、日常生活へと持ち込まれることでロサンゼルスのイラン人たちを「共感 = 代理の政治」へと動員した。デモの参加者たちの多くは、予め持っていた主張や要求の達成のために運動に関わるのではなく、むしろデモの場での連帯と対立の実践を通じて民主化などの抽象的概念を解釈し、運動への関与を続けたことが明らかになった。
収録刊行物
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- コンタクト・ゾーン
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コンタクト・ゾーン 7 (2014), 83-108, 2015-03-31
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564285783293568
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- NII論文ID
- 120005733117
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- NII書誌ID
- AA12260795
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- ISSN
- 21885974
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- HANDLE
- 2433/209808
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles