〈症例〉サブクリニカルクッシング症候群と原発性アルドステロン症を合併したと考えられた両側副腎腫瘍に選択的副腎静脈サンプリングが有用であった1症例

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抄録

[抄録]68歳の男性.平成19年に近医で血圧が高値であったため,降圧薬が開始となった.その際の血液検査では低K血症を認め,血漿アルドステロン濃度の上昇と血漿レニン活性の低下を伴っていたため,原発性アルドステロン症の疑いで当科に紹介された.画像所見上は両側副腎腫瘍が認められた.入院にて更に内分泌学的検査を行ったところ,尿中アルドステロンの上昇と血中DHEA-S の正常低値もあり,カプトプリル負荷試験では陽性基準を満たした.また,コルチゾールの簡易日内変動と1mg・8mg デキサメサゾン抑制試験を施行したところ,日内変動は消失しており1mg・8mg のデキサメサゾン抑制試験は陽性であったため,サブクリニカルクッシング症候群を合併した原発性アルドステロン症と診断した.その後,コルチゾールとアルドステロンのそれぞれにおける局在診断のために,^<131>I-アドステロールシンチグラフィと選択的副腎静脈サンプリングを行ったところ,両ホルモンは右副腎で高値であったため,当院泌尿器科にて腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.術後は血清K値の低下はなく経過し,降圧薬も当初の薬剤に変更して退院となった.

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