厚生経済学の源流―マーシャル, ラスキン, 福田徳三―

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タイトル別名
  • Some Origins of Welfare Economics-Marshall, Ruskin and Tokuzo Fukuda-
  • コウセイ ケイザイガク ノ ゲンリュウ : マーシャル,ラスキン,フクダ トクゾウ

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抄録

本稿は,厚生経済学の源流の有り様を創設期に遡って解明しようとする.ピグーの『厚生経済学』は,功利主義・経済厚生主義に基づく「新」「旧」厚生経済学の歴史の原点・源流になった.しかし,厚生経済学の創設期は福祉国家の形成期でもあり,多様な福祉の経済思想・厚生観が存在した.新古典派経済学を進めるケンブリッジとは別にオクスフォード・アプローチがあり,「生こそ富」というラスキンの思想を展開するホブソンのような「もう一つの厚生経済学・福祉の経済学」が,かなりの広がりをもっていた.本稿は,そうした非厚生主義的な福祉の経済学の源流を念頭に,マーシャルの福祉観・福祉の経済思想を有機的成長論のなかで再検討する.ラスキンとマーシャルの思想の部分的な類似性を指摘し,福田徳三の「厚生経済研究」によって「もう一つの源流」の広がりを検証する.

収録刊行物

  • 経済研究

    経済研究 65 (2), 97-112, 2014-04-24

    岩波書店

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