卵巣腫瘍と術前診断された虫垂粘液嚢胞腺種の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of mucinous cystadenoma of the appendix preoperatively diagnosed as an ovarian tumo
  • ランソウ シュヨウ ト ジュツゼン シンダン サレタ チュウスイ ネンエキ ノウホウ センシュ ノ 1レイ

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抄録

論文(Article)

症例は66歳の女性。前医での定期検診の腹部超音波検査にて右卵巣腫瘍を疑われ、当院婦人科に紹介となった。CTおよびMRI検査にて右卵巣嚢腫と診断された。当院の婦人科にて腹腔鏡下右付属器摘出術の予定で手術が開始されたが、子宮付属器には異常所見はみられず、虫垂に約 50 mm大の表面平滑な腫瘤が確認された。術中に当科にコンサルトあり、当科で開腹にて虫垂切除術を施行した。虫垂に 55 mm程度の嚢胞が形成され、内腔には黄白色の粘液貯留を認め、病理組織学的検査にて虫垂粘液嚢胞腺腫と診断された。術後経過は良好で、現在まで再発なく経過している。虫垂粘液嚢胞腺腫と右卵巣腫瘍の鑑別のためには、右下腹部の腫瘤性病変が見られる際には、これらの疾患を念頭におき、腫瘤と盲腸や子宮付属器との関係を十分に検討する必要があると考えられた。卵巣腫瘍と術前診断された虫垂粘液嚢胞腺腫の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。

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