絶滅危惧種ニシキギ科アンドンマユミの種子発芽特性

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タイトル別名
  • Seed germination traits of a threatened plant, Euonymus oligospermus Ohwi
  • ゼツメツ キグシュ ニシキギカ アンド ンマユミ ノ シュシ ハツガ トクセイ

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抄録

アンドンマユミ Euonymus oligospermus Ohwiはニシキギ科の落葉小低木で,環境省により絶滅危惧種IA類に指定されている。本種は福島県桧枝岐村でのみ記録されており,日本固有の植物種である。しかし,自然環境下における本種の自生状況は現在不明であり,わずかな個体が栽培保護下にあるのみである。このような背景から本研究では,アンドンマユミの個体群の維持に寄与するため,アンドンマユミの発芽特性を明らかにすることを目的とした。発芽試験の結果,試験に供試した6種のニシキギ属植物のうちアンドンマユミおよびマユミのみで発芽が確認されたが,すべての種子の発芽前処理や発芽条件において,アンドンマユミの発芽率はマユミに比べて極めて低かった。しかし,植物ホルモンであるジベレリン処理を行った試験区において無処理区に比べて高い発芽率が確認された。また,発芽しなかった種子においてもジベレリン処理による高い種皮の離脱率が確認された。このことからジベレリン処理は,アンドンマユミ種子の発芽促進に有効であり,種子休眠の打破には異なる要因が寄与していると考えられる。

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