SFAS143の確立 : FIN47の設定過程を通じた検討

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タイトル別名
  • Accounting Standards for Conditional Asset Retirement Obligation : SFAS143 and FIN47
  • SFAS143 ノ カクリツ : FIN47 ノ セッテイ カテイ オ ツウジタ ケントウ

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抄録

本稿では,SFAS143における不確実性の取り扱い方の特徴を明らかにするために,FIN47を成果とするSFAS143解釈プロジェクトおよびこのプロジェクトと密接に関係する2003年FSP案について,それぞれの内容,関連するコメントレターの傾向,さらに審議の議事録を時系列に沿って検討した。 この検討に基づいて,SFAS143における不確実性の取り扱い方の特徴として以下を指摘した。①最終的な支出の選択肢を1つの集合として仮構した上で,②当初事象とその集合との関係を寄与的な因果関係で結びつけ,③その寄与的因果関係は確実なものと捉える。ただし,④それぞれの選択肢には,最終的な支出あるいは条件付債務の条件成就の時期や金額に関する不確実性が存在するため,⑤それらの不確実性は認識の要否の決定ではなく,測定に織り込むべき要素とする。⑥この際に,見積もりを形成するデータが存在しない場合には合理的な見積もりができないため負債認識の遅延をもたらすが,見積もりを形成するデータが存在する場合にはたとえ測定値の分散が大きいとしても合理的な見積もりが可能であると捉えるため負債認識の遅延はもたらされない。

収録刊行物

  • 經濟學研究

    經濟學研究 66 (2), 49-66, 2016-12-08

    北海道大学大学院経済学研究科

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