総合的な学習の時間における学年主任の役割意識に関する事例的研究

書誌事項

タイトル別名
  • ソウゴウテキ ナ ガクシュウ ノ ジカン ニ オケル ガクネン シュニン ノ ヤクワリ イシキ ニ カンスル ジレイテキ ケンキュウ
  • A Case Study on the Role Awareness of the Grade Chief in Periods for Integrated Studies

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抄録

本研究は,総合的な学習の時間が充実している小学校に勤務する2名の学年主任を「ミドル」と捉え,その意識を「修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ」を用いて明らかにすることで,総合的な学習の時間において,「ミドル」がどのような役割を果たしているかを考察した事例的研究である。その結果,総合的な学習の時間の充実を目指す学年主任の意識として,【キャリアによる役割意識】,【対等な立場での協働】,【総合の在り方】,【目指す子ども像への接近】,【見えない縛り】の5つのカテゴリーが生成された。また,これらのカテゴリー相互の関係を基に構築した構造図から,対象の学年主任から得られた共通した意識の中核として,「一緒に創る」と「ボトムアップでの教育課程の創造」という2つのコア・カテゴリーが浮かび上がった。これらのコア・カテゴリーが意識の中核に据えられていることで,学年主任は,総合的な学習の時間の充実を目指す際,同時に,同僚を独自の教育実践が生み出せるような自立した人材として育成したり,自学年のカリキュラム創造と実践により学校改善を図ったりするという「ミドル」としての役割も果たしていることが推察された。

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