徒手矯正力が膝関節屈曲可動域に与える影響

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  • Influence of manual orthodonic force on flexion angle of knee joint

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抄録

本研究では,膝関節屈曲可動域測定時の矯正力について調査するとともに,矯正力の違いが膝関節屈曲可動域に与える影響について検討した.実験1: 矯正力と膝関節屈曲可動域の関連 対象は,健常者20名である.ベッド上腹臥位で他動的に膝関節を屈曲させ,その際の矯正力をμTas-MF01のディスプレイ上から読み取りながら任意の矯正力を維持した.その際の膝関節屈曲角度をもう1名の検査者が1度単位で読み取った.矯正力は2.0,4.0,6.0,8.0kgfの4種類とした.矯正力2.0,4.0,6.0,8.0kgf における膝関節屈曲可動域は,それぞれ右膝関節139.7±6.3度,147.0±5.1度,150.5±5.3度,153.2±5.3度,左膝関節140.0±6.9度,146.3±5.9度,150.0±6.0度,153.1±5.8度であり,矯正力間で有意差を認めた(p<0.01).実験2:膝関節屈曲可動域測定時の矯正力 検査者は,健常者15名であった.模擬患者は,年齢21歳,身長161cm,体重55.0kgの健常者であった.模擬患者は,ベッド上腹臥位をとらせた.模擬患者の下腿遠位部前面にはμTas-MF01のセンサー部分をマジックテープで固定した.検査者には,模擬患者の下腿遠位部を把持し,膝関節を屈曲方向に他動的に運動させ可動域終末まで追い込むよう指示した.そして最終可動域まで追い込んだ時点での矯正力を実験者が読み取った.膝関節屈曲可動域測定時の矯正力は,7.6±2.6kgf,最小値3.9kgfから最大値12.9kgfの範囲にばらついた.以上のことから,他動的膝関節屈曲可動域測定においては矯正力の統制が再現性を向上させるうえで必須なものと考えられた.

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