側頭下窩に生じた炎症性偽腫瘍の1例

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  • Inflammatory pseudotumor of the infratemporal fossa

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抄録

炎症性偽腫瘍は,炎症性細胞浸潤と線維化を主体とする腫瘍類似性病変である.今回,われわれは側頭下窩に生じた炎症性偽腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は73歳女性.開口障害を主訴に,当科を紹介受診した.初診時の自力無痛開口量は16mmで,右頬骨下稜に硬結を伴う腫瘤性病変を認めた.CT,MR画像からは右頬骨下稜から側頭下窩に広がる軟組織病変を認めた.全身麻酔下に生検を行ったところ,病理組織学的には, 炎症細胞の浸潤のみられる線維性瘢痕組織であった.以上より右側頭下窩偽腫瘍と診断し,ステロイド療法を開始した.投与開始から6週間経過した時点で,腫瘤は消失し開口量は48mmとなった.

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