カーレーシングゲームにおける多目的最適化に基づくコントローラの設計

抄録

シューティングゲームなど,リアルタイム性をもつコンピュータゲームにおけるコンピュータプレイヤーは多くの場合チェス等のボードゲームにおける強さを獲得するには至っていない.これは深度の大きい木探索を行うには,与えられる時間が短すぎるためである.このうちいわゆるカーレーシングゲームにおいては入出力モデルを操作決定のために設定し,“あるコースでのラップタイム”を用いたオフラインでのパラメータ最適化を行う手法が主流となっている.しかしこの手法では,必ずしも初めて走行させるコースで満足な性能を発揮できないことが分かっている.本稿ではラップタイムと“走行時のマージン”を目的関数とした2 目的最適化を実行し,“高速だが危険”から“低速だが安全”まで多様なパラメータの候補を保持し,未知のコース毎に切り替えを行うというアプローチを取る.提案した目的関数に基づいて実際に最適化を行い,その後未知のコースで走行し候補から選択させる実験を行い,実際に多様かつ優れた解が獲得され,与えられた未知のコース毎に適切な候補を選択できることを示した.さらに,本稿での最適化での評価1 回当たりの所要時間の長さを鑑みて,評価関数を推定しながらの最適化によって評価回数を大幅に減少させるアルゴリズムを導入した.

第36回ゲーム情報学研究会

identifier:https://dspace.jaist.ac.jp/dspace/handle/10119/14082

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050001337538509824
  • NII論文ID
    120006223810
  • ISSN
    21888736
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10119/14082
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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