書誌事項
- タイトル別名
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- A Corpus-based ESP Approach to Medical Research Article Reading : A Pilot Extension Study with Japanese Undergraduate Students
- イガク ロンブン ニ オケル ゲンゴテキ トクチョウ ノ コーパス ケンキュウ キョウイク オウヨウ ニ ツイテ ノ ココロミ ノ エンチョウ ケントウ
抄録
テクストマイニングとデジタルヒューマニティーズ
本研究は,医学論文における言語的特徴の検討についての教育応用を模索するために,ミニコーパスの構築ならびにムーブの明示的指導と練習を取り入れた授業を行い,授業後に,学生にとって英語で書かれた専門文書を読むことの負荷が軽減するであろうかという聞いに対する答えを得る方法について予備的に検討した研究の延長研究である。本研究の背景としては,グローパル化に対応した英語教育において,医学生のリーデイング能力としては医学・医療の研究の基礎に必要な医学英語が理解できること,ライティング能力としては医学論文の英文abstractを書けることなどが, 医学英語教育学会によるガイドラインでの最低要件とされることがある。医学系単科大学の第2学年と第3学年の男女学生合計222名を対象にl回当たり60分の授業を4~5回行った。授業は,学術文書を英語で書くためには,学術文書をその分野の専門家のように英語で読むのが最良の方法であるというESPの概念や実践報告の積み重ねを重視する授業学の考えに基づいて行った。l回目の授業開始前と最後の授業終了後に英語で書かれた専門文書のなかでもより身近な教科書を読むことへの負担について質問紙調査を実施し,最後の授業後には自由回答による授業についての意見を求めた。質問紙調査では,欠損値のなかった197名を対象として統計学的に検討した。自由回答による意見は,回答が得られた34名の叙述を対象に,ムーブをコードして質的に検討し,多変量解析を用いて量的に検討した。質問紙調査では,英語で喜かれた教科書を読むことの難しさについて,授業終了後に授業開始前と比較して統計学的に有意な低下(p≤0.00234, Welchの対応のあるt検定)が認められたが,効果量は0.260と低かった。自由回答による意見では,量的検討に質的検討を組み合わせることの必要性が示唆され,授業での「負担または不安・不満」 は「達成または発見・気づき」や「提案」などとともに述べられ,和らげた語調を用いて述べられる傾向が示されたと考えられた。授業時間当たりの学習項目が多く,難易度が高かったことが示唆され,今後改善の必要があると考えられた。
収録刊行物
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- 言語文化共同研究プロジェクト
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言語文化共同研究プロジェクト 2016 55-91, 2017-05-31
大阪大学大学院言語文化研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390009224808449664
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- NII論文ID
- 120006319128
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- DOI
- 10.18910/62037
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- HANDLE
- 11094/62037
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles