深頸部膿瘍により残存した嚥下障害が適切なリハビリによって改善した一例

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  • 田中 信宏
    山口大学大学院医学系研究科脳神経外科学 産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座
  • 高橋 真紀
    産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of Remained Swallowing Disorder due to a Deep Neck Abscess by Adequate Rehabilitation:Case Report
  • シンケイブ ノウヨウ ニヨリ ザンゾン シタ エンゲ ショウガイ ガ テキセツナ リハビリ ニヨッテ カイゼン シタ イチレイ
  • 症例報告 深頸部膿瘍により残存した嚥下障害が適切なリハビリによって改善した一例
  • ショウレイ ホウコク シンケイブ ノウヨウ ニ ヨリ ザンソン シタ エンカ ショウガイ ガ テキセツ ナ リハビリ ニ ヨッテ カイゼン シタ イチレイ

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抄録

<p>【はじめに】</p><p> 今回我々は深頸部膿瘍により嚥下障害が残存したが,適切なリハビリテーションを行うことで経口摂取が可能となった一例を経験したのでここに報告する.</p><p>【症 例】</p><p> 68歳男性.食欲不振と胸部痛を主訴に救急外来受診した.右中咽頭から下咽頭にかけての深頸部膿瘍と診断.約4ヵ月の前医入院加療後,残存した嚥下障害に対するリハビリ目的で産業医科大学リハビリテーション科紹介となる.</p><p>【経 過】</p><p> 嚥下造影では舌骨の動きが悪く,右梨状窩の食物の残留を認めた.舌骨の挙上不良に対しては間接訓練,咽頭残留に対しては咽頭残留除去法の指導を行った.約1ヵ月後の嚥下造影では,舌骨の挙上不良と咽頭残留は共に改善傾向を示した.</p><p>【考 察】</p><p> 深頸部感染症後に嚥下障害が生じる理由として,高度な炎症の治療後に瘢痕形成をきたし喉頭の挙上制限が生じたためと考えられた.深頚部感染症の治療後に嚥下障害を生じた場合にも適切な評価,その結果に応じた訓練や摂食指導を行うことが重要である.</p>

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 66 (2), 135-138, 2017-05-01

    山口大学医学会

参考文献 (4)*注記

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