糖尿病者と非糖尿病者の肺機能の比較 : 大規模集団における性・年代別検討

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タイトル別名
  • Lung Function in Individuals with and without Diabetes : Sex-and Age-Specific Analysis in a Large Population of Japanese Adults
  • トウニョウビョウシャ ト ヒトウニョウビョウシャ ノ ハイキノウ ノ ヒカク ダイキボ シュウダン ニ オケル セイ ネンダイベツ ケントウ

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抄録

目的:近年、肺機能障害が糖尿病の合併症の可能性があるとして注目されているが、これまでの先行研究は対象者数が少なく、交絡因子の制御も不十分である。そこで本研究では、性・年代別に他の交絡因子の調整を行ったうえで、糖尿病者と非糖尿病者の肺機能を比較することを目的とした。方法 : 2008年4月から2014年3月までの期間に、一総合病院の人間ドックを初回受診した40歳から69歳の者、15,516名を対象とした。空腹時血値126mg/dl以上、HbAlc値6.5%以上、糖尿病治療中または既往あり、のいずれかに当てはまる者を糖尿病者と定義した。肺機能の指標には、%肺活量と一秒率を用いた。結果 : 糖尿病者は1,475名であった。性・年代で層化した共分散分析の結果、男女とも全ての年代において、糖尿病者は非糖尿病者に比べて、多変量調整後の%肺活量が有意に低かった。一方、多変量調整後の一秒率は、男性では全ての年代で、女性では50代、60代で糖尿病者と非糖尿病者の間で有意な差は認められなかった。結論 : 交絡因子を考慮しても、糖尿病者は非糖尿病者より%肺活量が低いことが示された。医療従事者は糖尿病者の肺機能の低下にも注意することが重要と考える。

収録刊行物

  • 大阪大学看護学雑誌

    大阪大学看護学雑誌 24 (1), 1-9, 2018-03-31

    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

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