乳がん体験者の自己への思いやり : うつ病傾向の有無による比較

DOI HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Self-Compassion of Japanese Breast Cancer Survivors : Comparison between them with and without Depression
  • ニュウガン タイケンシャ ノ ジコ ヘ ノ オモイヤリ ウツビョウ ケイコウ ノ ウム ニ ヨル ヒカク

この論文をさがす

抄録

目的 : 乳がん体験者の「自己への思いやり」をうつ病傾向の有無による比較を通して明らかにする。方法 : A市内の乳がん患者会に依頼し、無記名自記式質問紙を用いた郵送調査を実施した。調査内容は、対象者の属性、セルフ・コンパッション尺度日本語版、つらさと支障の寒暖計であった。所属する施設の倫理審査委員会の承認後、実施した。結果 : 42部を配布し、33部を回収した(回収率78.6%)。対象者の平均年齢は60.5%±10.7歳、がんの最初の診断から平均6.5±3.6年経過していた。「自己への思いやり」のうち、【孤独感】、【マインドフルネス】、【自己批判】の中央値が他の項目・因子と比較して高かった。「うつ病傾向あり」は9名(27.3%)。「うつ病傾向あり」群は、「うつ病傾向なし」群より【過剰同一化】の得点が有意に低かった。結論 : うつ病傾向のある乳がん体験者は3割弱おり、過剰同一化を軽減することで「自己への思いやり」を高める関わりが重要であることが示唆された。

収録刊行物

  • 大阪大学看護学雑誌

    大阪大学看護学雑誌 24 (1), 44-51, 2018-03-31

    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ