正常な自他の未分化な精神状態と病理的な自他の未分化な精神状態の発達に関する臨床心理学的考察

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Normal and Pathological Differentiation between Oneself and Others as Considered from a Clinical Psychology Viewpoint
  • セイジョウ ナ ジタ ノ ミブンカ ナ セイシン ジョウタイ ト ビョウリテキ ナ ジタ ノ ミブンカ ナ セイシン ジョウタイ ノ ハッタツ ニ カンスル リンショウ シンリガクテキ コウサツ

この論文をさがす

抄録

本研究では,症例や乳幼児の観察から導き出された精神分析的な理論をもとに,自他が分化し,発達していく様子について概観した。その中で,正常な発達では,「私」と「私でないもの」が曖昧な状態から,分化していくことが示された。そして,病理的な自他未分化の場合,他人は,自分と同じように考えることはないし,自分の痛みは結局自分で抱えるしかないという内的真実を否認している場合と,そもそも気づくことが出来ない場合に分けることが出来ると論じた。その区別として主体性の有無が水準を判断する材料になることを示した。正常な発達と病理的な発達のどちらが面接内のセラピスト―クライエント関係でおきているかを区別することが重要であると述べた。区別するための視点として,二者関係がそこで完結して満たされた場合は,新たな視点が生まれることはない病理的な状態であると示した。そして,正常な発達のためには,クライエントとセラピストの関係性が,満たされない状態について開かれているかが重要であると示した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ