Abstract
本論では、保育者を対象としたフォーカシング研修の実践報告を行い、参加者からのアンケート結果をもとに研修の意義を検討した。本ワークショップ(以下、WS)研修は、保育の一つのあり方としてフォーカシングを学び、保育実践への足掛かりとなるよう実施したものである。27名の保育者が参加し、合計5セッションのWSを行った。本論では出店形式で行った1セッションを除いた4セッション分のアンケートを検討対象とし、2つのねらいを中心に検討を行った。アンケート結果は、記述内容から「フォーカシング理論の理解やフォーカシング体験」、「各フォーカシング・ワークの利点への言及」、「保育実践の捉え直しや関連づけ」、「今後の保育実践への活用」、「日常生活への活用」の5項目に整理された。本WS研修のねらいの1つであった「フォーカシングの観点からの(保育実践の)捉え直し」は、保育経験の年数に関わらず確認され、主に理論的な解説で生じたものと考えられた。2つ目のねらいは、「フォーカシングの学びとフォーカシング的態度の体得」である。フォーカシングの学びについては、アンケート全体にみられ、フォーカシング的態度もWS中には身につけていたことが考えられた。これらのことから、2つのねらいはある程度達成されたものと思われた。今後の課題としては、保育者におけるフォーカシング的態度の定着や保育実践への影響を検討することが必要と思われた。
Journal
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- 関西大学心理臨床センター紀要
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関西大学心理臨床センター紀要 9 69-81, 2018-03-15
関西大学臨床心理専門職大学院心理臨床センター
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050001202911663488
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- NII Article ID
- 120006414850
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- HANDLE
- 10112/13093
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- IRDB
- CiNii Articles
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