Aggregatibacter actinomycetemcomitansのゲノムDNAはマクロファージに対してnucleotide-binding domain-like receptor containing protein 3インフラマソームを活性化してIL-1βを誘導する

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  • Genomic DNA of Aggregatibacter actinomycetemcomitans activates the nucleotide-binding domain-like receptor containing protein 3 inflammasome to iduce IL-1β by murine macrophages

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抄録

インフラマソームは多様な生理活性をもつ炎症性サイトカインの一つであるIL-1βの産生を制御する細胞内センサーである.IL-1βは歯周炎を含む多くの炎症性疾患において重要な病因的役割を果たしている.そこで,本研究では,侵襲性歯周炎の主な病原菌であるAggregatibacter actinomycetemcomitans によるnucleotide-bindingdomain-like receptor containing protein 3(NLRP3)インフラマソームの活性化を介したIL-1β産生誘導について検証した.C57BL/6(B6)マウスならびにcaspase-1,ASC(apoptosis-associated speck-like protein containinga caspase recruitment domain)あるいはNLRP3をノックアウトしたマウスより採取した骨髄細胞から分化誘導したマクロファージ(BMM)をA. actinomycetemcomitans JP2の生菌および100℃で5分間熱処理した死菌で刺激した.IL-1βはELISA法ならびにウェスタンブロッティング法で測定した.生菌ならびに死菌でB6 BMMを刺激したところ,生菌,死菌ともにIL-1βの産生を誘導したが,生菌に比べて死菌の活性が約10倍高かった.生菌および死菌の活性はcaspase-1-/-,ASC-/-ならびに NLRP3-/-のBMMでは殆ど消失した.また,死菌の活性はDNA分解酵素処理で有意に減弱し,さらに菌体の熱処理後の遠心上清には生菌に比べて約5倍量のDNAが検出された.そこで,本菌のゲノムDNAを抽出し,B6 BMMを刺激したところ,濃度依存的にIL-1βの産生が誘導されたが,caspase-1-/-,ASC-/-ならびに NLRP3-/-のBMMでは有意に減弱した.以上の結果から,A. actinomycetemcomitansはマクロファージに対してNLRP3インフラマソームを活性化してIL-1βの産生を誘導する活性物質を有しており,その活性物質の一つはDNAであることが示唆された.

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