初期十二イマーム派における「秘教」と「顕教」 : 小幽隠期のハディース集とタフスィールの分析を通じて

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タイトル別名
  • Esotericism and Exotericism in the early Imāmiyyah : analysis of Tafsīrs and the collections of Ḥadīths in the Minor Occultation
  • ショキ ジュウニ イマームハ ニオケル ヒキョウ ト ケンキョウ : ショウユウインキ ノ ハディースシュウ ト タフスィール ノ ブンセキ オ ツウジテ
  • 初期十二イマーム派における秘教と顕教 : 小幽隠期のハディース集とタフスィールの分析を通じて

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抄録

本稿は、「秘教」的教義のみならず「顕教」的教義も初期の十二イマーム派の本来の教義の一部を構成するということを明らかにする。最初期の十二イマーム派思想を考察する上では小幽隠期の文献が最も重要であり、本稿では小幽隠期の法学規定を主として分析する。法学規定は秘教的教義同様にイマームの権威に基づいて議論されていた。スンナ派と初期十二イマーム派との間には法学規定における見解の相違が少なからず存在するが、このような法学的相違の多くはクルアーンやハディースの外面的意味の解釈の相違から生まれたものである。一方で、「十二イマーム派」「反対者」「敵対者」の3つの分類に従い規定が課されることやイマームとその家族だけに特別な規定が課されることについては、イマームと十二イマーム派信徒が特別な地位を有するという信条が法学規定にも反映されていると言えよう。初期から現代までの法学規定の連続性は顕教的教義の通史的な重要性を示している。

収録刊行物

  • 一神教世界

    一神教世界 9 115-133, 2018-03-31

    同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)

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