胸部大動脈瘤に起因する線溶亢進型の慢性DICが原因と考えられた抜歯後出血の1例

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抄録

type:Article

今回われわれは、胸部大動脈瘤に起因する線溶亢進型の慢性DICにより発症した抜歯後出血に対して、局所止血処置と抗線溶療法を併用し、止血管理が可能であった1例を経験したので報告する。患者は84歳男性。左側上顎第1、第2大臼歯抜歯後出血を主訴に当院救急救命センターを受診され、当科紹介となった。既往歴に胸部大動脈瘤を認め、2009年に大動脈弁置換術およびステントグラフト内挿術を施行され、アスピリンを内服中であった。当科初診時より局所止血処置を施行するも止血に難渋し、第6病日に再度止血処置を行い、創部安静および全身精査のために当科入院とした。血液検査の結果、線溶系亢進を認めたため、当院血液内科対診したところ、線溶亢進型の慢性DICと診断され、抗線溶療法として、トラネキサム酸の内服を開始した。第11病日、血液検査にて線溶系に改善を認め、トラネキサム酸の投与を終了した。第17病日、口腔内出血を認めず、当科退院となった。(著者抄録)

identifier:洛和会病院医学雑誌(1341-1845)29巻 Page24-28(2018.03)

identifier:1341-1845

identifier:http://kintore.hosplib.info/dspace/handle/11665/1599

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