[第10回千葉医学会奨励賞] MRIを用いた神経疾患の診断とネットワーク解析による病態解明

書誌事項

タイトル別名
  • ダイ10カイ チバ イガッカイ ショウレイショウ MRI オ モチイタ シンケイ シッカン ノ シンダン ト ネットワーク カイセキ ニ ヨル ビョウタイ カイメイ

この論文をさがす

抄録

type:text

[要旨] 神経疾患の診断や病態解明においてmagnetic resonance imaging(MRI)が果たす役割は大きく,様々な撮像法や解析法が工夫されている。末梢神経を選択的に描出するMR neurographyは末梢神経疾患の診断に用いられ,慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー (chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy: CIDP)において神経肥厚の描出が可能である。典型的CIDP では神経根優位の左右対称性肥厚を呈し,多発単ニューロパチー型では左右非対称の多巣性・紡錘状の神経肥厚を呈し,それぞれの病態機序を反映した所見と考えられている。T2*強調画像や磁化率強調画像は,局所磁場の不均一性を強調し,微少出血や鉄沈着を鋭敏にとらえることができる。また,位相差強調画像化法では,組織の位相差を目的に応じて選択・強調することで新しい組織コントラストを作成することが可能となっている。神経変性疾患の診断において,こうした新規の撮像法から得られる所見の有用性が相次いで報告されている。また,脳画像において個々の部位の異常を検出するのみではなく,領域間の構造・機能連結情報を画像化してネットワークの異常として捉える解析方法も進歩しており,その一つとしてグラフ理論を用いたネットワーク解析があげられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ