大学生の一次救命処置の認識に関する実態

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タイトル別名
  • Recognition of Basic Life Support for Undergraduate Students
  • ダイガクセイ ノ イチジ キュウメイ ショチ ノ ニンシキ ニ カンスル ジッタイ

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抄録

【背景】一次救命措置(Basic Life Support:以下BLS)は心肺停止患者の救命に必要であり、一般市民が実践できるよう技術習得に関する認識を明らかにする必要がある。本研究は大学生のBLSやその講習会に対する思い、自信、不安、知識の実態を明らかにすることを目的とした。【方法】A大学の学生600名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は対象者背景、思い、自信、不安、知識、自由記述とした。思い、自信、不安は1~5を選択、知識は設問の正誤により評価した。それぞれの項目の平均値を算出し、思いに関しては因子分析を行った。学部、受講経験の有無による比較をt-testを用いて、さらに関連性の検討をした。【結果】回収数248名(回収率41.3%)、うち150名を分析対象とした。BLSを習得する必要があると思っている(4.2±0.8)が一方で、講習会参加を忙しい(3.9±1.0)、有料である(4.2±1.0)ために、ためらう傾向があった。自信は医療系学部の者(p=0.002)、受講経験のある者(p ≺ 0.001)が、各々それ以外の者より有意に高かった。BLSに関する知識の自信(r=0.321,p ≺ 0.001)や不安(r=-0.262,p ≺ 0.001)との間に認められた相関は、有意であったが相関係数は0.4未満であった。【考察】今後の大学生に対するBLS教育において、気軽に参加できるような講習会の開催条件の下、BLS習得の実感がもてるように関わり、知識の提供に加え、特に自信の向上に向けた心理面への配慮が必要である。

収録刊行物

  • 大阪大学看護学雑誌

    大阪大学看護学雑誌 25 (1), 64-72, 2019-03-31

    大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

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