妊娠21週に持続する頭痛と嘔吐を契機に診断された海綿状血管奇形による脳出血の一例

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  • A case of cerebral hemorrhage resulting from cavernous malformation which was diagnosed with continuous headache and vomiting at the 21 weeks of gestation

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抄録

脳脊髄に発症する海綿状血管奇形は稀であるが、脳出血の原因となる疾患である。今回我々は、妊娠21週に持続する頭痛と嘔吐を契機に診断された海綿状血管奇形による脳出血の一例を経験したので報告する。症例は32歳、21週1日に咳嗽、頭痛にて救急外来を受診し、感冒と診断され経過観察となった。頭痛が持続し、嘔吐が出現したため、21週5日に再受診し、頭部CT検査にて右皮質下出血を認めた。入院後、頭蓋内圧亢進症状の悪化を認めたため、22週2日に開頭血腫除去術を施行し、海綿状血管奇形による脳出血と診断した。術後経過は良好で、妊娠23週3日に独歩にて退院となった。選択的帝王切開の方針としたが、37週4日に陣痛発来のため緊急帝王切開にて2620gの男児を娩出した。頭痛を訴える妊婦に対し、経過や随伴症状に注意し、症例により脳出血の可能性を疑い、海綿状血管奇形も念頭に置き、速やかに検索を行うことが必要であると考えられた。

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