Placenta accreta spectrum (PAS) disordersが示唆された胎盤残留 8症例の検討

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  • Analysis of eight cases of retention of the placenta suggestive of placenta accreta spectrum (PAS) disorders

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抄録

胎盤残留は胎盤娩出の遅延として診断され、その多くはplacenta accreta spectrum (PAS) disordersが関与していると推察される。PAS disordersの管理法は、完全待機、子宮温存胎盤摘出、外科的子宮摘出の3種類に分類でき、その選択は妊孕性温存の希望や出血量、感染に依存する。当院で近年経験した搬送症例を含めた胎盤残留8症例について検討した。8症例のうち経過観察後に胎盤娩出を試行して娩出した症例が2例、一部遺残させたまま経過観察した症例が2例、子宮摘出をした症例が1例、経過観察中に感染を生じた症例が3例であった。分娩後数時間以内の胎盤用手剥離は大量出血の症例がみられた。10日以内の待機後に超音波ドプラー法にて胎盤の著明な血流減少を認めた時に胎盤摘出を試行することで総出血量の減少・比較的早期の退院・重篤な感染症発症の予防を同時に実現できる可能性が推察された。

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