柔道整復師国家試験における筋系問題の出題傾向に関する研究 : 解剖学・運動学分野から出題された問題の調査,分析より

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タイトル別名
  • The trend of question about muscular system of the national examination for judo-therapist : focusing on field of anatomy and kinesiology
  • ジュウドウ セイフクシ コッカ シケン ニ オケル キンケイ モンダイ ノ シュツダイ ケイコウ ニ カンスル ケンキュウ : カイボウガク ・ ウンドウガク ブンヤ カラ シュツダイ サレタ モンダイ ノ チョウサ,ブンセキ ヨリ

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抄録

柔道整復師国家試験(以下,国家試験)において,解剖学・運動学分野からの出題は全体の約20%を占め,国家試験対策の上では非常に重要な科目である。特に筋系からの出題は,柔道整復師の業務特性と関係するため出題数が多い傾向にある。しかし解剖学における知識の習得は暗記型の学習方法が主体であり,学生の学習意欲向上には工夫が必要である。特に筋系の学習においては,人体に存在する約180種類もの骨格筋について,起始・停止,神経支配,筋の作用などの理解が求められ,修得する内容は膨大である。そのため,国家試験対策としては筋系問題の出題傾向を調査,把握し,理解すべき内容に優先順位をつけることで,効率的な学習に繋げる必要性があるが,これまでに筋系問題に限定して調査,分析をした論文は見当たらない。そこで今回,国家試験対策の一助となることを目的とし,過去に出題された筋系問題を調査,分析した。方法は,第1回から第26回の国家試験において解剖学・運動学分野から出題された1100問を対象とし,筋系問題の出題内容と固有の骨格筋の出題回数を調査した。調査結果から,筋系問題は筋の作用,起始・停止,神経支配に関する問題が筋系問題全体の65.9%を占めており,これらの項目に関する学習は,国家試験対策の上で重要であることが確認できた。また,固有の骨格筋名に関する調査では四肢の筋が全体の70%以上を占めており,特に上腕二頭筋,大腿四頭筋,下腿三頭筋の出題が多くみられた。出題される筋系問題の傾向を理解することは,国家試験対策を実施する上で,効率的な学習の組み立てに繋がると考えられた。

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