前立腺の上皮細胞過形成は排尿障害を惹起する可能性がある

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タイトル別名
  • Epithelial cell hyperplasia of the prostate may cause dysuria
  • ゼンリツセン ノ ジョウヒ サイボウ カケイセイ ワ ハイニョウ ショウガイ オ ジャッキ スル カノウセイ ガ アル

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抄録

目的:排尿障害を惹起する前立腺の組織学的な特徴を抽出し, 排尿障害との関連性を明らかにする. 対象:成熟齢(平均50. 0 ± 3. 7 週齢)のC57BL/6J 雄性マウス8 匹及び老齢(平均137. 3 ± 21.2 週齢)のC57BL/6J 雄性マウス28 匹を用いた. 方法:マウスの排尿量を経時的に測定し, 尿流測定パラメーター(1 回排尿量, 排尿持続時間, 平均排尿速度)を得た. 次に, 前立腺組織像を検鏡観察し上皮面積/ 腺管面積比及び上皮細胞密度(=上皮細胞数/ 上皮面積比)を求めた. 結果:老齢マウス28 匹のうち, 成熟齢マウスと同様な尿流測定パラメーターを呈した22 匹を老齢正常群(平均134. 3 ± 19. 7 週齢)とし, 点状の排尿瘢痕がみられた6 匹を排尿障害群(平均148. 3 ± 24. 8 週齢)とした. 排尿障害群は老齢正常群と比較して1 回排尿量と排尿持続時間が有意に低下し,背葉前立腺組織の上皮細胞密度が有意に増加した. 結論:背葉前立腺の上皮細胞密度の増加によって排尿障害が惹起されることが示唆された.

収録刊行物

  • 医療工学雑誌

    医療工学雑誌 (13), 1-8, 2019-03

    広島国際大学大学院医療・福祉科学研究科

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